TM 静寂から第一音へ
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♪歳末にさしかかる12月18日、渋谷ノナカ・アンナホールにて本年最後の「若き巨匠シリーズ」
「アレクセイ・シチェフ&岩崎洵奈 ピアノデュオリサイタル」へ行きました。
岩崎洵奈さん煌びやかなスリーブの黒のタイトドレスで登場、ショパンの華麗なる変奏曲 変ロ長調 作品12
の演奏から始まりました。洵奈さんは東京藝大ピアノ科卒、ウィーン国立音大大学院ピアノ科を首席で卒業
数々の国際コンクールにて入賞、日本・ヨーロッパ諸国の活動に加えUAE・カタール・レバノン・エジプト・
クウェート・イラン・チュニジアなどでコンサートツアーに招聘されるまさ国際的なアーティストです。
演奏は流麗で時に豪快さ何かテンポ感に独自性もあり、けしてトリッキーな独自性ではなく観客を心地よく
させる生きた音を響かせていました。
続いてアレクセイ・シチェフが登場、演目のシューベルト:さすらい人幻想曲 ハ長調 D760 作品15
について解説し洵奈さんが通訳して下さいました。
「シューベルト自身演奏できないほど難しい曲、、、」とジョーク?を交え会場を湧かし演奏が始まりました。
私はこの曲を初めて聴きました。解説のとおり超絶技巧な曲でなのですが
演奏はその超絶技巧をおおいに披露しながらもどこか紳士的でシューベルトに対する敬意も感じとれました。
口頭で解説された以上に曲の内面もアレクセイ・シチェフだからこそ表現され体現されていたと思います。
小休憩を挟む前に会場の懇願でリストのラ・カンパネラを演奏していただきました。
このリクエストは彼がワイマール、パルマ、グロタマーレのリスト国際ピアノコンクールにおいて優勝をし
世界でただ一人3冠を達成したアーティストだからです。今回プログラムにはなかったラ・カンパネラを
実際に聴くことができるなんてなんと幸せなことだろうと十分に堪能させていただきました。
さてピアノデュオと銘打った今回のリサイタル、いよいよ二人で奏でるのですが
演奏前に洵奈さんの話で「小さいころバレエを習っていてその役柄はネズミだった」という話から始まり
「デュオのパート、ファーストとセカンドはどのように決めているのか」という話で
曲によって違うのだが相談し合い最終的には洵奈さんが希望するパートを担っている。と、
「ネズミ役から今では(3冠の彼を従えて)希望するパートを決定するに至りました」と彼の笑顔の横で話していました。
演目はブラームスのハンガリー舞曲第1番・2番・5番、
チャイコフスキーのくるみ割り人形より、行進曲・金平糖の踊り・トレパック・中国の踊り・あし笛の踊り・花のワルツ、
ホルストの惑星より ジュピター。どちらかと言えばオーケストラで耳する各曲ですが、このピアノデュオアレンジも
初めて聴きました。作曲家ごとにファースト・セカンドの担当が交互に入れ替わりそれぞれの役どころを
見事に徹し奏でていました。音の密度が高く、当然二人の息もピッタリで目をつぶって聴くと(野望な表現ですが)
4本の腕20本の指を全能な一人が完全にコントロールしているかのようでした、ブラーボ!
よく耳にするあの旋律なのですがオーケストラとは違う味わいで歳末を盛り上げる彩りにふさわしい演目の数々を
十分に楽しませてくれました。(24/12/20)
このリサイタルは鈴木達也氏(スタインウェイ・ジャパン前会長)が代表理事を務める
(社)サポートミュージックソサエティが主催しているもので、このたび鈴木氏からご招待いただきました。
鈴木氏は「若い優秀な音楽家へ演奏機会を提供し気楽に良質の音楽を聴く機会を提供するとともに
音楽を愛する仲間を拡げていく」ことに大変ご尽力なさっており、自らリサイタルの司会もなさってます。
下段掲載の私が調律を担当するピアノオルゴールの視聴会にも何度かご来場いただきました。
「若き巨匠シリーズ」は渋谷ノナカ・アンナホールで月に3回ほど開催しており、
チケットは(社)サポートミュージックソサエティのホームページでご予約できます。
来年は
2025年2月5日(水) ウォン・ジョンホ/ピアノ Jongho Won/Piano から始まります。
♪ 11月20日、渋谷ノナカ・アンナホールにて開演の「若き巨匠シリーズ」
五味田恵理子ピアノリサイタルに行きました。
演目前半は
ショパンのノクターン第2番変ロ長調・第13番ハ短調、ポロネーズ第7番変イ長調を演奏、
ドレス姿の五味田さんのイメージどおり気品のある演奏で一気に観客を魅了しました。
東京芸術大学を経て同大学院修士課程、ドイツ国立ミュンヘン音楽大学
マイスターソリスト課程を修了、国内外数々のピアノコンクールに入賞、東京交響楽団、
藝大フィルハーモニア管弦楽団他オーケストラと共演し、東京藝大音楽学部附属高校他、
後進の指導にもあたる若き巨匠です。
ポロネーズ第7番では自ら曲に没入していく感じが増すのですが、一人よがりな演奏ではなく、
何かぬくもりような心地よさを交えた演奏に感じました。
後半はシューベルトの即興曲第2番 D935 変イ長調、小休憩を挟んでからの曲の冒頭で
再び一気に五味田さんの世界に引き込まれていきました。物悲しい感じの旋律から始まるのですが
演奏の根底に五味田さんの慈愛のようなものが伝わるシューベルトでした。
ベートーベンピアノ・ソナタ第31番変イ長調、このリサイタルで最大の盛り上がりをみせました。
繊細な出だしから後半へ向かってダイナミックな演奏がとてつもなく圧巻で、この曲と恩師との思い出話
のとおり、奏でる上で非常に思い入れの深さが感じられる素晴らしい演奏でした。
アンコールにはリストを演奏し会場は絶賛の拍手で溢れました。
職業柄いつもステージ袖や控え室のモニターごしで演奏を聴いておりましたので久しぶりに観客として
じっくり聴くことができました。素敵な一日を過ごせました。 (24/11/21)
♪ 本年もストライプハウスギャラリー(六本木)において
塚原琢哉写真展「重工業地帯の終焉」(M,Bフロア)と「ある一つの世界」(3F)が
10月3日〜11日(会期中無休 AM11:00〜PM6:30)開催されました。
会期中の6日、Bフロアにて作家によるレクチャーがPM3:00から行われ
所蔵の非常に珍しいピアノオルゴールの視聴会も開演されました。
このピアノオルゴールは 菅野猛氏と私によってメンテナンスをさせていただきました。
菅野氏がムーブメントのメンテナンスを、私は本年も調律を担当させていただきました。
演目は
Mazurka
Rheinlander
Opera
3曲を演奏いたしました。
おかげ様でたくさんの方にご来場いただきました。ありがとうございました。
(24/10/12)
(このピアノオルゴールについて何かお問い合わせがあれば弊社でもご対応させていただきます。)
♪ 新型コロナ5類以降に伴うお知らせ
新型コロナ5類以降に伴いまして社会状況を鑑みながら徐々に平常営業に戻して
いきます。
定期調律の特別価格の据え置き期間につきましてR6年10月末申し込みまでを期限と
させていただきます。何卒ご了承くださいますようよろしくお願い申し上げます。(23/5/1)